40代未経験でITコンサルに転職した初日、会議で一言も話せなかった僕が最初の3か月でやったこと
40代で新しい役割に入ると、想像以上にきついです。
僕もIT業界の経験自体はありましたが、ITコンサルという立場に移った初日、会議室で完全に固まりました。目の前では専門用語が次々に飛び交い、会話の速度も速い。知っているはずの言葉なのに、現場の文脈ではまるで意味が取れない。質問する余裕もなく、ひたすらメモを取り続けるしかありませんでした。
あのとき強く思ったのは、40代で新しい場所に入ると、経験があっても一度は無力になるということです。
この記事では、そんな僕が最初の3か月で何をして、どうやって少しずつ立ち上がっていったのかをまとめます。未経験に近い形でITコンサルへ転職したい人、あるいは転職直後で苦しんでいる人の参考になればうれしいです。
40代で未経験に近い形からITコンサルへ転職して感じた現実
僕は、まったくの異業種から入ったわけではありません。同じITの中で役割が変わった形です。それでも、現場に入った瞬間に痛感したのは、「知っている」と「できる」はまったく別物だということでした。
ITコンサルの現場では、単にITの知識があるだけでは足りません。業務の流れを理解し、関係者の認識をそろえ、課題を整理し、前に進める必要があります。しかも、ただ助言するだけではなく、資料作成、進行管理、会議設計、論点整理など、かなり泥くさい実務も多いです。
たとえば、次のような仕事があります。
- 業務プロセスを整理して、無駄な手作業を減らす
- 進捗や課題を見える化して、プロジェクトを前に進める
- クラウド移行や業務改善の方針を整理する
- 会議の論点を明確にして、意思決定しやすい状態をつくる
外から見ると華やかに見えるかもしれません。ですが実際は、基礎体力と地味な継続がかなり問われる仕事だと感じました。
初日は想像以上にしんどかった
初日は、今でもかなり鮮明に覚えています。
クライアント先の会議室に通され、名刺交換を済ませたあと、すぐに定例会が始まりました。そこで飛び交っていたのが、KPI、MECE、PDCA、バリューチェーン、エンタープライズアーキテクチャといった言葉です。
もちろん、言葉そのものをまったく知らなかったわけではありません。ただ、会話の流れの中でそれがどう使われているのか、どこが論点なのか、その場ではほとんどつかめませんでした。
頭の中では必死に追いかけているのに、口は動かない。結果として僕は、会議室の隅でひたすらメモを取る人になっていました。
40代で転職すると、年齢のぶんだけ勝手に期待される場面もあります。だから余計にきついです。自分でも「もっとできるはず」と思っているのに、現実はそうではない。その落差がかなり堪えました。
僕を救ってくれたのは、派手さのない積み上げだった
では、そこから何で持ち直したのか。答えはかなり地味です。
僕がやったのは、特別な裏技ではありません。むしろ、誰でもできるけれど、意外と続けにくいことばかりでした。
1.会議で出た言葉を毎日1つずつ調べた
最初は、一気に全部わかろうとすると確実に折れます。なので、僕はわからなかった言葉を1日1つだけでも拾うようにしました。
- 今日わからなかった言葉をメモする
- その日のうちに調べる
- 自分の言葉で短くまとめる
- 翌日の会議でまた出てきたら、文脈ごと確認する
これを繰り返すだけでも、1か月たつと見える景色が変わってきます。大事なのは、完璧に理解することではなく、知らないものを放置しない習慣をつくることでした。
2.過去資料と議事録をさかのぼった
会議は、その場だけ聞いてもわからないことが多いです。なぜなら、プロジェクトには前提が積み上がっているからです。
そこで僕は、過去の資料や議事録をさかのぼって読みました。すると、「この人たちは今この話をしているのではなく、先月から続いている論点の続きを話しているのか」と見えてきます。
現場では、頭の良さよりも前提の共有量で差がつく場面があります。だからこそ、新しく入った人ほど、過去資料を追う価値があります。
3.会議後に短く確認した
その場で発言できなくても、会議後に短く確認することはできます。
たとえば、こんな聞き方です。
- 先ほどの言葉の理解、これで合っていますか
- 今日の会議で一番重要だった論点は何でしたか
- このタスクの目的は、進捗把握と認識して良いですか
長く聞くと相手の負担になりますが、短く具体的に聞けば、意外と教えてもらえます。ここで大事なのは、「わからないです」だけで終わらせず、自分なりの仮説を添えることです。
4.誰もやりたがらない仕事に手を挙げた
議事録、進捗管理、会議設定、課題一覧の更新。正直、目立つ仕事ではありません。
ですが、こうした仕事は現場理解に直結します。誰が何を気にしていて、どこで話が止まりやすくて、何が未整理なのかが見えてくるからです。
僕は最初、華やかな提案よりも、こうした土台の仕事で存在価値を出しました。結果として、それが信頼につながり、後から発言もしやすくなっていきました。
本当にきつかったのは、調べたくても調べられないことだった
当時、個人的にかなりしんどかったのは、現場で自由に検索できなかったことです。
機密情報を扱う環境だったため、ネットワーク制限が厳しく、気になったことをその場で調べるのが難しい状況でした。だから僕は、現場の外で補うしかありませんでした。
- 通勤時間に本を読む
- 歩いている間に音声で用語や考え方に触れる
- 家でその日出た論点を整理する
要するに、現場で足りない情報取得を、現場の外で回収するやり方です。
派手ではありません。でも、40代から新しい土俵に入るなら、この「小さく埋め続ける力」はかなり重要だと感じます。
叩かれながら覚えるしかない時期もある
これはあまりきれいな話ではありませんが、最初の頃は、多少厳しく指摘されながら覚えるしかない場面もありました。
内容を完璧に理解してから動こうとしていると、いつまでも前に出られません。だからある時期から僕は、完全に理解し切る前でも、まず会議を設定し、タスクを置き、反応をもらうようにしました。
もちろん、ズレることもあります。指摘も受けます。ときには厳しい言い方をされることもあります。
でも、その反応の中に、現場が本当に求めているものが詰まっていました。つまり、正解を外すこと自体が、情報収集になるわけです。
この感覚は、転職直後の苦しい時期にかなり役立ちました。
40代の転職で大事なのは、最初からできる人を演じないこと
40代になると、経験もあるし、変にプライドもあります。だから「知らない」と言いづらくなることがあります。
でも、振り返ってみると、一番まずかったのは、できる人に見られようとすることでした。逆に、信頼につながったのは次の姿勢です。
- わからないことを放置しない
- 確認を後回しにしない
- 地味な作業でも雑にしない
- できないことより、今できることを増やす
つまり、最初に必要なのはハッタリよりも、誠実な立ち上がり方です。
40代で新しい環境に入ると、「即戦力でない自分」に落ち込む瞬間があります。ただ、その時期をどう過ごしたかは、後でかなり効いてきます。
今つらい人に伝えたいこと
もし今、転職直後で苦しいなら、まず知ってほしいことがあります。
それは、知らなくて不安なのは、あなただけではないということです。
新しい職場、新しい役割、新しい人間関係。この3つが同時に重なるだけでも、人はかなり消耗します。そこに年齢的なプレッシャーまで乗ると、なおさらです。
でも、そこで終わりではありません。
僕自身、会議室の隅でひたすらメモを取るところから始まりました。それでも、毎日少しずつ積み上げたことで、景色は変わりました。
だから、今日の時点で全部できていなくても大丈夫です。大事なのは、今日わからなかったことを、明日もそのままにしないことです。
明日からすぐできる、いちばん小さな一歩
最後に、この記事を読んだ人に一つだけおすすめしたい行動があります。
わからなかった言葉を、今日1つだけ書き出してください。
それだけで十分です。
- 会議で引っかかった言葉
- 話の流れでわからなかった考え方
- みんなが当然のように使っていた略語
それを1つ書き出して、調べて、自分の言葉で短く残す。これを毎日続けるだけで、1か月後の不安はかなり変わります。
転職直後は、大きなジャンプより、小さな前進の方が効きます。僕はそう感じています。
まとめ
40代で未経験に近い形からITコンサルへ転職すると、最初は本当にきついです。僕も初日は会議で一言も話せず、会議室の隅でメモを取り続けるところから始まりました。
ただ、その状況を変えてくれたのは、特別な才能ではありませんでした。
- わからない言葉を毎日拾う
- 過去資料をさかのぼる
- 会議後に短く確認する
- 地味な仕事を丁寧にやる
こうした積み上げが、少しずつ信頼につながっていきました。
もし今、同じように苦しい場所にいるなら、焦らなくて大丈夫です。まずは一つ、今日わからなかったことを拾うところからで十分です。
その積み上げは、あとから必ず効いてきます。
プロフィール
尾田研|PMP®認定ITコンサル/Kindle著者
IT・DXの現場で培った「仕組みで成果を出す技術」を、仕事と人生に応用するヒントとして発信しています。
がんばり過ぎず、仕組みで成果を出したい方に向けて、現場目線でお届けしています。
