「このまま、今の会社にいていいんだろうか」
転職すべきか迷っているとき、必要なのは勇気ではなく判断基準です。この記事では、20代・30代・40代を通して5回転職してきた僕が、動くかどうかを決めるときに使っている軸と、迷いを言語化する6つの質問をまとめます。
僕は今ITコンサルタントとして働いていますが、ここに来るまでにそれなりに悩んでいます。決定打がないまま、求人サイトを開いては閉じる時期も長かったです。
転職の判断基準は「未来の選択肢が減らないか」だけでいい
年代の話に入る前に、僕がずっと持っている軸をひとつだけ。
- *この仕事は、先に繋がるのか。**
これだけです。
たとえば、その会社独自のルールや作業を、入社以来10年任され続けたとします。社内では詳しい人として重宝されるかもしれません。
でも30代になって転職を考えたとき、その10年は市場では評価されにくい。気づかないうちに、選択肢が削られているわけです。
転職するかどうかより先に、まず「今の場所にいると、自分の選べる道は増えるのか、減るのか」を見てほしいです。増えているなら、焦って動く必要はありません。
逆に、この基準で見て選択肢が減り続けているなら、待遇に不満がなくても動く理由になります。
「なんとなくモヤモヤする」なら、6つだけ自問してみる
はっきりした不満がないケースも多いですよね。辞める決定打がないまま、モヤモヤだけが残る。
そういうときは、違和感を言葉にすることから始めるといいです。次の6つを、正直に答えてみてください。
- 月曜の朝、何を感じるか
- この1ヶ月で心から笑ったのは、職場の中か外か
- 今の上司や同僚と、信頼関係を築けているか
- 給料が同じでも、今の仕事を続けたいか
- 最近「この会社で成長しているな」と思えたか
- 転職した知人に、うらやましさを感じるか
答えを並べると、自分が本当は何に納得していないのかが見えてきます。待遇だと思っていたら人間関係だった、というのはよくある話です。
原因が環境なのか自分なのかで、打ち手も変わります。部署異動や相談で解決するなら、転職はまだ早い。
ここを飛ばして求人を見始めると、たいてい「なんとなく良さそうな会社」を選んでしまいます。
年代別に、判断基準はどう変わるか
同じ「選択肢が減らないか」という軸でも、年代によって見る場所が変わります。
20代は「経験の幅」で決める
20代で見るべきは、給料でも役職でもありません。経験の幅です。
ずっと同じ仕事を任され続けていないか。新しいことに挑戦できる環境にあるか。ここが閉じているなら、転職を検討していいと思います。
この年代の強みは、失敗が経歴の傷になりにくいことです。むしろ苦手な領域に踏み込んで、壁にぶつかっておいたほうがいい。
僕自身、意識してやってきたのは「あえて負けに行く」ことでした。得意じゃない場所に身を置くと、否応なく考えます。その試行錯誤が、あとで引き出しになる。
30代は「マネジメント経験を持てるか」で決める
30代で決定的に重要なのが、リーダー経験を持てるかどうかです。
規模は関係ありません。3人でも5人でもいい。人をまとめて、進捗を管理して、成果に責任を持つ経験があるかどうか。
なぜかというと、転職市場で必ず問われるからです。経験上、例外はほとんどありませんでした。
今の会社でその機会が回ってきそうにないなら、それは動く理由になります。逆に、任されそうな流れがあるなら、もう少し粘る価値があります。
40代は「収入と役職」にこだわっていい
40代になったら、遠慮する必要はないと思っています。
- *収入が安定しない。役職につける見込みもない。**
この状態が続くなら、転職を考えていいタイミングです。
この年代の転職は、完全に経歴勝負になります。裏を返せば、それまで選択肢が減らないように振る舞えていれば、希望はかなり通りやすくなっています。
僕が40代で未経験のコンサル業界に入れたのも、IT業界で積んだ20年以上の経験が土台にあったからです。ゼロから飛び込んだように見えて、実際には持ち込めるものがありました。
もし積み上げが弱いと感じるなら、資格を取るのは有効な手段です。異業種に移る場合は特にそうで、経歴の説明がつきやすくなります。僕がPMPを取ったのも、この理由が大きいです。
年代ごとの具体的な動き方は20代・30代・40代の転職成功戦略に、40代の市場評価については「40代中途採用は使えない」は本当かにまとめています。
転職を決めても、いきなり辞めなくていい
最後に、これだけは言っておきたいです。
僕は最初の転職に、2年近くかかりました。人間関係のストレスと、評価されにくい環境。それでも「今よりひどくなったら」という不安で、求人サイトを開いては閉じる日々でした。
背中を押されたのは、先輩の一言でした。
「いつでも戻れる場所があると思ったら、気が楽になった」
不安が消えたわけではありません。ただ、退路を確保すると動けるようになるというのは、その後も実感しています。
転職サイトに登録する。職務経歴書を書いてみる。話だけ聞いてみる。
どれも、辞める決断ではありません。選択肢を1つ増やすだけの行動です。そして選択肢が増えると、今の会社の見え方まで変わります。「ここしかない」と思っていた場所が、「ここでもいい」に変わる。
それだけで、月曜の朝は少し軽くなります。
迷っているうちに、ひとつだけ決めておく
転職するかどうかを、今日決める必要はありません。
ただ、何を判断基準にするかだけは決めておいてください。
選択肢が増えるのか、減るのか。この一点です。
そして次に迷ったとき、また同じ基準で測る。答えが変わらなければ動かなくていいし、変わったなら、そのときが動くタイミングです。
あなたの今の場所は、選択肢を増やしていますか。それとも、静かに削っていますか。
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