「あの人、正直使えないよね」
40代の中途入社に対して、こういう言葉が出ることがあります。言われている本人には、絶対に届きません。
僕は40代・未経験でITコンサル業界に入りました。入った当初、間違いなくこう見られていたと思います。 初日の会議で一言も話せませんでしたし、何ができるかを誰も知らなかった。
そこから抜けた経験と、その後に受け入れる側になって見えたことを書きます。
「使えない」と言われる40代に、能力の問題は少ない
先に結論を書きます。
- *言われる原因のほとんどは、能力ではなく振る舞いです。** そして振る舞いなので、変えられます。
現場で見てきた共通点は、はっきり4つに分かれました。
1. 前職の話が多い
「前の会社ではこうしていました」
本人は改善提案のつもりです。内容が正しいことも多い。ですが受け取る側には、現状を否定されたように聞こえます。
しかも中途入社直後は、なぜ今のやり方になっているかの経緯を知りません。過去に失敗して今の形に落ち着いた、という背景がある場合もある。それを知らずに「普通は」と言うと、経緯ごと否定した形になります。
2. 聞かない
40代で、しかも経験者として入ると、質問しづらくなります。「こんなことも知らないのか」と思われるのが怖い。
その結果、分からないまま進めて、後で大きく手戻りする。聞けば5分で済んだことに、3日かけることになります。
これは能力の問題ではなく、プライドの問題です。そして周りからは能力の問題に見えます。
3. 何をしているか見えない
これが一番大きいと思っています。
新卒なら「何もできない」という前提が共有されています。中途は違う。経歴書には立派なことが書いてあるのに、この会社の文脈で何ができるかは誰も知らない。
- *だから仕事を振られません。** 振られないから実績が出ない。実績が出ないから、さらに何ができるか分からない。この循環に入ると、半年後には評価が固まっています。
4. 手を動かさない
役職があった人ほど、これが出ます。
指示や整理はするが、自分では作らない。それが前職では正しい役割だったとしても、入って間もない時期にそれをやると「何もしていない人」に見えます。
自分がそうなっていないか確かめる3つの問い
耳の痛い話ですが、自己診断できます。正直に答えてみてください。
この1週間で、「前の会社では」と言いましたか。1回でも言ったなら、次からは質問の形に変えてみてください。「これはどういう経緯で今の形になったんですか」と。
この1週間で、自分が何をしたか説明できる相手が何人いますか。0人なら危険です。あなたの稼働は誰にも見えていません。
この1週間で、自分の手で作った成果物はありますか。資料1枚でも構いません。無いなら、周りからは動いていないように見えています。
3つとも問題なければ、心配は要りません。1つでも引っかかったら、そこが「使えない」と言われる入り口です。
僕が抜けるためにやったこと
大きなことはしていません。
質問を「確認」の形に変えました。「つまり、◯◯という理解で合っていますか」。これなら知らない人ではなく、確認している人に見えます。認識のズレも同時に潰せます。
日報を、頼まれていない相手に送りました。やったこと、詰まっていること、分かったこと。3つだけを3分で書いて流す。これで「何をしているか分からない人」ではなくなります(日報の書き方)。
小さくても、この会社の中で完結した成果を1つ作りました。規模は関係ありません。1つあると、次の発言の重みが変わります。
順番と時期については中途採用で馴染めないのは3ヶ月目までにまとめました。
受け入れる側にも原因はあります
ここまで本人側の話をしましたが、片側だけではありません。
- *測る場を作らない職場では、誰が入っても同じことが起きます。**
何も任せずに「様子を見る」と、いつまでも測れません。経緯を教えないまま「扱いづらい」と評価するのも順番が逆です。
そちらは中途採用を潰す職場の特徴に書きました。もしあなたが受け入れる側なら、こちらを読んでほしいです。
まとめ
「使えない」と言われる原因は、能力ではなく振る舞いに集中している。
前職の話が多い、聞かない、何をしているか見えない、手を動かさない。この4つ。
自己診断は3つの問いで足ります。前職の話をしたか、稼働を知る人がいるか、自分で作った成果物があるか。
- *どれも変えられるものです。** 僕自身、40代・未経験・知識ゼロで入って、この4つを潰していったから残れました。
言われているかどうかは、たいてい本人には届きません。だから自分で確かめるしかありません。
あなたが先週何をしていたか、説明できる同僚は何人いますか。

