40代・未経験の転職で、志望動機はいちばん難しい質問です。
理由ははっきりしています。面接官が知りたいのは意欲ではなく、「なぜ今までのキャリアを捨てて、こちらに来るのか」の説明だからです。
「興味があったから」「成長したいから」では通りません。20年分の経歴と、これから行く場所が繋がって見えないと、話が終わってしまいます。
僕はIT業界に20年以上いたあと、40代でコンサル業界に入りました。この記事では、そのときに考えた「経歴と志望先を繋ぐ線の引き方」をまとめます。
40代の志望動機は「意欲」ではなく「接続」を語る
まず、20代の志望動機と40代の志望動機は別物だと理解してください。
20代なら、意欲とポテンシャルで通ります。経歴が短いので、そこを見られていません。
40代は逆です。経歴が長いぶん、その経歴が説明できないと不自然に見えます。
面接官の頭に浮かぶのは、だいたいこの疑問です。
- 「この人はIT業界の人だ。なぜコンサルなのか」
- 「20年やってきたことを、なぜ今やめるのか」
- 「うちで何ができるのか」
志望動機は、この3つに一度で答える道具です。熱意を伝える場ではありません。
志望動機に必要な3つの型
僕が実際に使った組み立ては、この順番でした。
型1:これまでの経験を、志望先の言葉に翻訳する
いちばん大事なのがここです。
自分の経歴をそのまま話しても、相手には届きません。相手の業界で通じる言葉に置き換える必要があります。
たとえば「システム開発のプロジェクトを回していた」は、コンサルの言葉では「クライアントの課題を要件に落とし、複数の関係者を動かして納期内に成果を出した」になります。
やったことは同じです。見せ方が違うだけ。
ここで重要なのは、盛らないことです。翻訳であって、創作ではありません。面接では必ず深掘りされるので、実際にやっていないことを混ぜると崩れます。
型2:なぜ「今」なのかを説明する
40代で動く以上、タイミングの説明は必ず求められます。
ここで使えるのが、僕がずっと持っている転職の判断軸です。
- *この仕事は、先に繋がるのか。**
今の場所にいると選択肢が減っていく。だから、選択肢が増える場所に移りたい。この形なら、前職の否定にならずにタイミングを説明できます。
前職の不満を理由にするのは避けてください。「環境が悪かった」と言った瞬間、面接官は「うちでも同じことを言うだろう」と考えます。
判断軸そのものについては転職しようか迷ったときの判断基準に書きました。
型3:入ったあと何をするかを、具体的に置く
意外と抜けるのがここです。
志望動機は過去と現在の説明で終わりがちですが、未来の話がないと「入りたい理由」で止まります。
最初の3ヶ月で何をするつもりか。持ち込んだ経験をどこで使うつもりか。ここまで言えると、採用側は働いている姿を想像できます。
僕の場合は「業界知識では負けるので、プロジェクトを進める部分で早く戦力になる」という話をしました。できないことを認めたうえで、できることを置いた形です。
40代でのコンサル転職が現実的かどうかは40代未経験でコンサル転職は可能かに、入ってからの立ち上がりは最初の3ヶ月でやるべきことにまとめています。
志望動機が弱くなる3つのパターン
現場で見てきた、うまくいかない型も挙げておきます。
「成長したい」で止まる成長は結果であって、志望理由ではありません。何をして成長するのかがないと、どこの会社でも言える話になります。
業界の魅力を語ってしまう「コンサル業界は成長市場で」という話は、面接官のほうが詳しいです。語るべきは業界ではなく、自分と業界の接点です。
経歴の説明が長い20年あると、つい全部話したくなります。ですが必要なのは、志望先に繋がる部分だけです。それ以外は削ってください。
経歴の取捨選択そのものは40代未経験でも通る職務経歴書の書き方と同じ考え方です。
志望動機が作れないときは、資格を検討する余地がある
型1の「翻訳」がどうしても成立しないことがあります。
経歴と志望先が、本当に離れている場合です。
そのときに有効な手が、資格です。僕がPMPを取ったのも、この理由が大きい。IT業界の経験とコンサルの仕事の両方に接続する資格を持つことで、「この人は意識的にこちらへ向けてきた」という話が成立します。
ただし順番を間違えないでください。資格を取れば道が開けるのではなく、説明の線が引けないときにだけ、資格が線になるという話です。詳しくは40代の転職に資格は効くのかに書きました。
まとめ|志望動機は、経歴と志望先を繋ぐ一本の線
40代の志望動機に必要なのは、熱意ではありません。
これまでの経験を、相手の言葉に翻訳する。
なぜ今動くのかを、選択肢の話で説明する。
入ったあと何をするかを、具体的に置く。
この3つが揃えば、経歴が長いことは弱点ではなく武器になります。
あなたの20年は、志望先のどこと繋がっていますか。
そこに一本の線が引けたら、それが志望動機です。
あわせて読みたい
- 40代未経験でも通る職務経歴書の書き方|コンサル転職で評価される経験の見せ方
- Kindle本『40代未経験からのコンサル転職:右も左もわからなかった僕が生き残れた理由: 「まずは生き残れ!」40代未経験でも戦えるコンサル転職のリアル』執筆の裏話
転職活動の全体像は40代の転職活動の進め方【完全ガイド】|5回転職した僕のスケジュールと各ステップの判断基準にまとめています。

