真面目にやっているのに、報われない。
手を抜いている人のほうが評価されて、丁寧にやっている自分のほうが忙しい。こういう状態を、何度も見てきました。
- *真面目さが損になるのは、全部に同じ力をかけてしまうからです。 そして解決策は「手を抜く」ではありません。抜く場所を決めること**です。
真面目な人に仕事が集中する仕組み
まず構造から。
頼む側の立場で考えると分かります。確実にやってくれる人に頼むのが、いちばん速い。だから急ぎの案件も、面倒な調整も、失敗が許されない仕事も、そこへ行きます。
悪意はありません。合理的な判断です。
その結果どうなるか。その人がいないと回らない状態ができます。 そして仕事が集中しても、役職や裁量は自動的には付いてきません。
責任だけが増えて、決める権限は与えられない。この状態が続くと、優秀な人ほど早く見切りをつけます(優秀な人から辞めていく職場に共通すること)。
真面目な人が損をする3つの型
全部を同じ完成度で仕上げる
社内向けのメモも、役員向けの資料も、同じ丁寧さで作る。
- *時間は有限なので、これをやると重要な仕事にかける時間が減ります。** 結果、一番評価される場面で力を使い切っていない状態になります。
僕は資料を作るとき、まず「これは誰が何を判断するためのものか」を確認します。判断に使わない資料は、体裁を整えません。
頼まれた形のまま受ける
「この資料、明日までにお願い」と言われて、そのまま作る。
真面目な人は、依頼を疑いません。ですが依頼自体が曖昧だったり、そもそも不要だったりすることがあります。
- *「これは何に使いますか」と聞くだけで、作業が半分になることがあります。** 聞かずに作ると、全部自分の負担になります(「すぐやります」が信用できない理由)。
完成してから出す
これが一番損をします。
真面目な人は、中途半端な状態で見せるのを嫌います。だから完成させてから提出する。そして方向性が違っていて、全部作り直しになる。
- *8割で出して確認を取れば、手戻りはほぼ消えます。** 完成度を上げるのは、方向が合ってからでいい。
議事録も日報も同じ構造で、速さのほうが完成度より価値がある場面が多いです(実務ドキュメントは「速さ」で決まる)。
「手を抜く」ではなく「抜く場所を決める」
ここが本題です。
手を抜くという言葉に、真面目な人は抵抗を感じます。当然です。だから発想を変えてください。
- *全部に100点をかけるのは、配分の設計をしていない状態です。**
僕がやっているのは、この振り分けです。
判断に使われるもの → 力をかける役員が意思決定に使う資料、クライアントに出す提案。ここは削りません。
記録として残るだけのもの → 最低限議事録、日報、社内メモ。速さを優先して、体裁は捨てます。
やらなくても誰も困らないもの → やらないこれが意外とあります。誰も読まない定例資料、慣習で続いている報告。一度止めてみて、何も言われなければ不要だったということです。
- *配分を決めるのは、手抜きではなく設計です。** そして設計は、真面目な人が得意な作業でもあります。
それでも評価されないなら、見せ方の問題
配分を直しても評価が変わらないなら、次は見せ方です。
真面目な人は、黙って結果を出そうとします。ですが見えていない仕事は、評価の対象になりません。
重要な仕事は「できる人」ではなく「今何ができるか分かっている人」に回ります。だから見せる必要があります(頑張っているのに評価されない理由)。
自己アピールが苦手なら、アピールではなく共有だと思ってください。相手が判断するための材料を渡しているだけです。
まとめ
真面目さが損になるのは、全部に同じ力をかけるから。
全部を同じ完成度で仕上げる、依頼をそのまま受ける、完成してから出す。この3つで消耗する。
手を抜くのではなく、判断に使われるものだけに力を集める。
配分を直しても評価が変わらないなら、それは見せ方の問題。
- *真面目であること自体は、長期的には資産です。** ただ、その真面目さを何に向けるかは、自分で決めていいと思っています。
あなたが昨日いちばん時間をかけた仕事は、誰の判断に使われましたか。
