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「素直な人は仕事ができない」は本当か|素直さが伸びにつながる人と、止まる人の違い

仕事効率化

「素直なんだけど、仕事はできないんだよね」

こういう評価を聞いたことがあります。一方で「伸びる人は素直だ」ともよく言われます。どちらも現場の実感として正しい。

矛盾しているように見えますが、見てきた範囲では理由ははっきりしていました。

同じ「素直」でも、2種類あります。 言われたことをそのままやる素直さと、言われたことを自分の中で組み立て直す素直さ。伸びるのは後者だけです。

「素直だけど仕事ができない」と言われる人がやっていること

言われた通りにやって、止まる

指示されたことは、きちんとやります。手も抜きません。

ただ、指示の範囲が終わると止まります。次に何をすべきか、指示の外に問題がないかを考えない。言われていないことは、やらなくていいことだと思っているんです。

頼む側からすると、毎回全部を指示しなければならない。これが「できない」という評価になります。

「分かりました」で終わる

フィードバックを受けると、すぐに「分かりました」と言います。反論もしません。

ですが次に同じ場面が来ると、また同じことをする。受け入れたのは言葉であって、理由ではなかったからです。

なぜそう直すべきなのか。それを自分で理解していないので、少し状況が変わると適用できません。

誰の意見でも同じ重さで受け取る

上司Aに言われて直し、上司Bに言われてまた直す。二人の意見が逆でも、両方に従おうとします。

判断の軸が自分の中に無いので、最後に聞いた意見に引っ張られます。結果、方針がぶれて、どちらからも評価されません。

伸びる人の素直さは、何が違うのか

伸びる人も、指摘を受け入れます。そこは同じです。

違うのは、受け入れたあとに「なぜ」を自分で確かめることです。

「つまり、ここは相手の判断材料になるから、結論を先に置くべきだったということですね」

こう言い換えて返す。これで、指摘が一回限りの修正ではなく、次にも使える判断基準になります。

僕は40代・未経験でコンサル業界に入りましたが、そこで最初に身につけたのがこれでした。知識では誰にも勝てなかったので、指摘を毎回「理由ごと」受け取るしかなかった。それが結果として一番速く伸びる方法でした。

コンサルに向いている人の特徴として「人の話を聞ける」「前向きに試行錯誤できる」を挙げたことがありますが、その中身もこれです(コンサルに向いている人・向いていない人の特徴)。

素直さを「できる」に変える3つの習慣

1. 指摘を受けたら、理由を言葉にして返す

「分かりました」で終わらせない。

「◯◯だから、こう直すべきということですね」と、理由を含めて言い換える。合っていれば相手はうなずくし、ずれていればその場で直せます。

確認の形なので、反論には聞こえません。

2. 指示の「目的」を一度だけ聞く

「これは何に使いますか」

これだけで、指示の外にある問題に気づけるようになります。目的が分かれば、言われていない部分も自分で判断できる。

依頼を疑うのが苦手な人ほど、効果があります(「すぐやります」が信用できない理由)。

3. 意見が割れたら、どちらに従うかを自分で決める

AとBの意見が違うとき、両方に従おうとしない。

「この資料は最終的にAさんが判断に使うので、Aさんの基準に合わせます」

判断の根拠を持って選べば、素直さは「言いなり」ではなくなります。

素直さそのものは、捨てなくていい

ここまで読んで、素直さが悪いように感じたかもしれません。そうではありません。

指摘を受け入れられない人は、そもそも伸びるきっかけを失います。素直さは伸びるための入口として必要です。

問題は入口で止まることです。受け入れたあとに、理由を確かめ、自分の判断に組み込む。そこまでやって初めて、素直さが仕事の力になります。

正直さや素直さが長期的に信頼として返ってくる話は素直で正直な人が職場で信頼される理由に書きました。この記事は、その手前でつまずかないための話です。

まとめ

「素直だけど仕事ができない」と言われるのは、言われた通りにやって止まるから。

「分かりました」で終わる、誰の意見も同じ重さで受ける。この2つも同じ原因から来ている。

伸びる人は、受け入れたあとに理由を自分の言葉で確かめている。

指摘は理由ごと返す、目的を一度聞く、意見が割れたら根拠を持って選ぶ。

素直さは入口です。その先で止まらなければ、一番伸びる資質になります。

あなたが最後に受けた指摘、なぜそう直すべきだったか説明できますか。

尾田研

尾田研(おだけん)。IT業界で20年以上を過ごし、40代・未経験からITコンサルタントへ転職。これまでに5回の転職を経験しています。PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)保有、Kindle著者として4冊を刊行。「最小の努力で、最大の成果を。」を軸に、40代のキャリアと仕事の進め方について、実際に自分がやったことだけを書いています。

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